コラム

子どもが前歯をぶつけて位置がずれてしまったら?

コラム

2018.2.22

お子様の場合、転倒して顔面をぶつけてしまうことがしばしばあります。その際、不運にも前歯をぶつけて歯の位置がずれたり歯が抜け落ちたりすることがあります。突然の出来事に親御様は慌てふためくと思いますが、まずは早急に歯科を受診してください。このような場合でも歯を元の位置に戻すことは可能です。

下の図は4歳のお子様がソファで飛び跳ねて遊んでいて、勢い余って近くのテーブルに歯をぶつけてしまった直後の写真です。右前歯は上方へめり込んでしまい、左前歯は下の前歯より内側へ引っ込んでしまいました(図1)。この状態で放置しておくと前歯が動かせなくなり、奥歯がきちんとかみ合わなくなってしまうので、できるだけ当日中に来院してもらい、歯を元の位置に戻します。

図2は、麻酔の注射をしてから右前歯を器具で引っ張り出し、左前歯を歯槽骨と一緒に外側へ押し出して元の位置に戻したところです。この状態では歯がグラグラですので、抜け落ちないように隣の歯と接着材で数週間固定します。歯の動揺が軽減したら、歯の生え変わりや顎の成長を阻害しないよう、固定に使用した接着材を除去します。

歯をぶつけた時、歯の神経(歯髄)への血行が断たれて神経が壊死してしまうことがあります。そのような歯は、しばらくすると歯の色が茶色く変色してきますので担当の先生にご相談ください。また歯をぶつけた時に歯が抜け落ちてしまったら、汚れた歯を軽く水洗いして口の中に戻すか、牛乳生理食塩水(0.9%食塩水)の中に入れて直ちに歯科を受診してください。ただし水道水の中に入れておくと、歯根の表面にある歯根膜という細胞が死んでしまい、骨と結合しなくなりますので注意しましょう。

図1 術前.前歯2本の位置がずれている
図1 術前.前歯2本の位置がずれている

図2 歯を元の位置に戻したところ
図2 歯を元の位置に戻したところ

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