コラム

永久歯が乳歯の内側から生えてきたけど大丈夫?

コラム

2016.5.11

乳歯から永久歯へ生え代わる時期に、前歯部ではよく乳歯の内側(舌側)から永久歯が生えてくることがあります(図1)。このまま永久歯が内側に生えたままになるのでは、また乳歯が永久歯の萌出を邪魔しているのではと心配される親御様もいらっしゃいますが、心配はいりません。

永久前歯は顎骨内で歯が作られる蕾(歯胚)の段階では、乳歯歯根の内側に位置しています。永久前歯が成長し萌出するときは乳歯歯根の内側を吸収しながら萌出するので、永久前歯が乳歯の内側から生えてくることはよくある現象なのです。
内側から生えてきた永久前歯はこのまま内側に留まることはありません。舌の押し出す力でだんだんと外側に移動してきます(図2)。
そもそも歯並びが放物線状にきれいに並んでいるのは、舌が歯を外側に押し出す力と、口輪筋や頬筋などが内側に押し込む力のバランスがとれたところに並ぶようにできているからです(バクシネーターメカニズム)。例えば、舌が大きい人は舌の押し出す力も大きいので歯並びも大きくなります。

前歯の生え代わりは5~6歳から始まりますが、このときは顎が小さく大きな永久歯がきれいに並ぶことが難しい場合があります。しかし顎の成長に伴って歯が生え揃うスペースができればきれいに並ぶことも多いので、すぐに歯の矯正を考えなくてもよいと思います。もし8~9歳になっても歯並びの改善がみられない場合は矯正歯科の相談を受けた方がよいでしょう。
また永久歯が生えてきても乳歯がなかなか抜けないことがありますが、既に乳歯がグラグラしている場合は、わざわざお子様に恐怖心を与えてまで抜歯をせずに自然脱落を待ってもよいと思います。乳歯の動揺が少ない場合は乳歯の歯根が長く残っていることがありますので、歯科医に乳歯を抜歯するかどうかを相談したほうがよいでしょう。


図1 永久前歯が乳歯の内側から生えてきた(5歳11か月)


図2 成長に伴い永久前歯は舌に押されて外側に移動した(6歳9か月).前歯の歯列不正があるが、顎の成長に伴い歯列が改善するか経過観察中

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