コラム

歯の麻酔注射をしたとき、歯肉が白くなるのはなぜ?

コラム

2015.4.7

虫歯治療や抜歯をはじめとして、歯の治療の多くで麻酔の注射が使用されます。
麻酔の注射は、治療する歯に近い歯肉に行いますが、麻酔をすると歯肉が貧血を起こしたように白くなります(図1)。これは麻酔薬の中にエピネフリンという、血管収縮作用のある薬剤が入っているからですが、血管を収縮させることによって麻酔薬が短時間で拡散することを抑制し、麻酔の効果時間を長くすることを目的としています。もしエピネフリンが入っていなければ、血行に乗って麻酔薬が拡散しやすく効果時間が短くなってしまうため、麻酔が切れるたびに繰り返し麻酔の注射をしなければなりません。

麻酔の効果を持続させるエピネフリンは、時に血管収縮による血行不良が起きるため、治療後に歯肉がタダレて痛みを伴うことがあります(図2)。このような時はうがい薬や軟膏などを用いて歯肉の感染を防ぎます。1~2週間もすれば歯肉は治りますので特に大きな心配はいりません。頻繁に起きることではありませんので、麻酔薬にエピネフリンが含有していることのメリットの方がはるかに高いと言えます。

また歯肉よりも歯根部に近い粘膜に麻酔の注射をしたときに、ごく希に麻酔の針が偶然に血管に入ることがあります。血管に直接麻酔薬が入ると一瞬で付近の皮膚が広範囲に真っ白になることがあります。これもエピネフリンの血管収縮作用によるもので、しばらく皮膚の感覚はなくなりますが、歯肉と比較して麻酔薬の拡散も早いので、数分で貧血状態は回復しますので問題はありません。


図1 麻酔の針を刺した部位の歯肉が血管の収縮によって白くなっている


図2 血管の収縮によって血行不良が起き、歯肉がタダレることがある

TOP