コラム

歯の表面が白く濁るのはどんな時?

コラム

2013.2.22

あなたやあなたのお子様の歯は、表面の一部がチョークのように白く濁っていませんか?これは脱灰といって、歯の表面が虫歯菌の出す酸に晒されている状態を示しています。(図1
白濁がよく見られる部位は歯の根元(歯頸部)で、歯磨きによるプラークコントロールが難しい部位でもあります。

歯の表面は、エナメル質という硬い結晶で覆われています。このエナメル質表面に歯垢プラーク)が付着すると、その中の虫歯菌が酸を放出することで歯の成分であるリン酸カルシウムがイオンとなって溶け出します(図2)。
歯垢の付着が一時的なものであれば、唾液に含まれるミネラル成分でエナメル質表面はすぐに修復(再石灰化)されるので白濁することはありません。しかし歯みがきが不適切で常に歯の表面に歯垢が付着していると、酸によってエナメル質が脱灰される度合いはより大きくなって結晶構造が粗造になり図2)、光を乱反射させて歯が白く濁って見えるようになります。

歯垢はバイオフィルムともいわれ、唾液の歯面への到達を遮断します。つまり歯垢の付着が長く続くと、唾液による再石灰化ができず酸による脱灰が優位になります。脱灰が続くと白濁部のエナメル質は、結晶構造が完全に崩壊して穴が開き、虫歯になってしまいます(図3)。ここまでくると残念ながら虫歯治療をしなければなりません。

白濁は虫歯になる一歩手前というサインです。歯科医院は虫歯になってから受診するのではなく、定期的に検診で受診し、歯みがき指導やフッ素塗布などで虫歯を予防していくのが理想的です。


図1 歯の根元(歯頸部)にみられる白濁
白濁は歯垢(プラーク)が常に付着する清掃不良部位に見られる


図2 エナメル質脱灰のイラスト
歯垢(プラーク)からエナメル質に酸が放出されると、歯の成分であるリン酸カルシウムが溶け出し、結晶構造が粗造になっていく


図3 白濁部が虫歯になったところ(矢印)
歯みがきが改善されない場合は脱灰が大きくなって白濁部に穴が開き、虫歯になる

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