コラム

歯が少し欠けただけで歯の神経が腐ることがある?

コラム

2012.4.14

虫歯や歯周病ではないのに歯が痛くなったり歯肉が腫れてきたりすることが稀にあります。いくつか原因がありますが、その一つに歯の奇形によるものがあります。

小臼歯と呼ばれる歯に稀に見られる奇形がありますが、歯の中央部に細長い突起がある状態で生えてくることがあります。この突起は中心結節と呼ばれています(図1)。この中心結節は折れやすく、対合する歯と咬み合うようになる10歳前後で折れてしまいます(図2・矢印部)。この中心結節が折れるとこの突起内にまで伸びた歯髄(歯の神経)が露出して感染を引き起こします。歯髄感染を起こすとすぐに痛みが発現するか、もしくは痛みを伴わず知らないうちに歯髄が壊死します。その後歯髄は腐敗し歯根の先端(根尖)に病変をつくって歯肉が腫れてきます。

この中心結節は歯が幼弱な時期に折れるので、歯髄が壊死すると歯髄が入っている空間(歯髄腔)が広いままとなり歯の成熟が進みません。図3を見ると左隣の同形の歯と比較して歯髄腔が大きいことが分かります。歯髄が感染し腐敗したら歯の表面から穴を開けて腐敗した歯髄を除去し消毒する必要があります。また、根尖部の病変が大きくなった場合は外科的に病変部を切除しなければなりません。


図1. 中心結節を持つ歯のイラスト。この突起が折れると歯髄が露出して感染することが多い。


図2. 中心結節が折れた小臼歯。歯髄が感染して壊死したため、左の同名歯と比べて変色している。


図3. 中心結節が折れた小臼歯のレントゲン写真。歯が幼弱なうちに歯髄が壊死したため、歯の成熟が進まず、左の同名歯と比較して歯髄腔が大きい。また根尖部におおきな病変が形成されている(白の破線部)。

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