コラム

乳歯は隙間なく生えた方がよい?

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2011.7.26

乳歯は8~9か月頃に下の切歯から生えはじめ、2歳半頃にすべてが生え揃います。乳歯列が隙間なく生え揃っていると、永久歯の萌出するスペースが不足し、永久歯の歯並びに影響すると言われています。従って永久歯がきれいに生え揃うには乳歯列に隙間が開いている、いわゆるすきっ歯が良いとされています(図1)。

しかし、乳歯列に隙間がないからといってすぐに心配する必要はありません。なぜなら、乳歯が生え揃って間もない頃は顎が小さいため、隙間なく生えている場合が多いからです(図2)。永久歯が萌出し始める5~6歳になると体の成長に伴って顎も大きくなっていき、乳歯列に隙間ができることが多く(図3)、永久歯が生え揃うスペースが確保されます。この時期においても乳歯列に隙間がない場合、永久歯の歯並びに影響が出る可能性は高くなりますが、永久歯が生え始めてからでも顎は成長して大きくなっていきますので、よほど異常な生え方をしない限りは様子を見ていいと思います。例えば図4のように、永久切歯が離れて生えてきても隣の永久歯が生えてくると自然に隙間が閉じてきます。ただし親御さんの歯並びが悪い場合は、遺伝的にお子様の歯並びも悪くなることがありますので、矯正の先生と相談してみるのもよいでしょう。

乳歯列に隙間がない場合に最も注意すべきなのは、歯並びよりもむしろ虫歯です。乳歯は虫歯になりやすい上に、隙間なく生え揃うと歯間部の清掃が困難なため、虫歯が発生しやすくなります。虫歯が大きくなり、通常の乳歯交換時期よりも早く抜歯になってしまった場合は、乳歯の位置関係が崩れて、結果的に永久歯の歯並びに大きく影響してしまいます。このように乳歯の虫歯が原因で永久歯の歯並びが悪くなる場合がありますので、お子様の歯みがきには十分注意して下さい。


図1 乳歯列は隙間があった方が永久歯の歯並びの問題が生じにくく、清掃しやすく虫歯にもなりにくい(4歳児)


図2 4歳児の乳歯列。顎が小さいため、隙間はほとんどない状態になっている


図3 6歳児の乳歯列。顎の成長に伴って、歯と歯の間に隙間ができている


図4 7歳児の乳歯列.乳切歯が4本脱落し、永久中切歯が2本離れて萌出しているが、側切歯と犬歯が萌出すれば自然と隙間が埋まるため、心配はない

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